宿命図(命式) の解釈の仕方
身強・身弱について
命式を解釈するために「身強」「身弱」の考え方を理解しておく必要があります。
「身強」「身弱」とは、自分自身が持つエネルギーについて、平均よりも多くのエネルギーを持つ命式を身強、少ないエネルギーを持つ命式を身弱と言います。
身強身弱の求め方は、端的には「日干」を自分自身に見立てて、日干を強める五行の数が多いと身強、少ないと身弱となります。十干十二支と五行の関係は次の通りです。
〇十干十二支と五行、季節、方角、陰陽の関係
(※1)春夏秋冬、土用の期間について
春夏秋冬の期間は年によって変動しますので、表の期間は参考にして下さい。春は立春、夏は立夏、秋は立秋、冬は立冬、を季節の開始日とし、年により変動します。土用は、立春、立夏、立秋、立冬の前「18日間」を指します。次の季節にスムーズに移るために各季節の節目に割り当てられています。土用の期間も年により変動します。
[参考]土用の丑の日とは
土用の期間に十二支の「丑」を含む日を指します。前述の「天干・地支」で説明しておりますが、日にちは「十干」「十二支」の2文字の組み合わせで表現でき、そのうち十二支が「丑」になる日が該当します。
ちなみに、2021年の土用の丑の日は、次の7日間になります。
・土用(立春前18日):1/17-2/3 :1/17(乙丑)、1/29(丁丑)
・土用(立夏前18日):4/17-5/5 :4/23(辛丑)、5/5(癸丑)
・土用(立秋前18日):7/19-8/7 :7/28(丁丑)
・土用(立冬前18日):10/20-11/7:10/20(辛丑)、11/1(癸丑)
日本では「暑い時期(夏)を乗り切るために栄養価の高いウナギを食べる習慣?」がありますが、2021年夏の丑の日は「7/28」です。(土用の丑の日にウナギを食べる理由には様々な説がありますが、ここでは割愛します。)
上表を参考にして、先述の命式の「天干」「地支」を五行に置き換えます。
上図の通り、自分自身である「日干:丙(火属性)」を強めているのは、「日支:午(火属性)」「時支:寅(木属性)」の2つのみで、それ以外の5つはいずれも日干の力を弱めます。この場合、日干を強める五行の数よりも弱める五行の数が多いため「身弱」と判断できます。
なお、日干に特に強く影響を及ぼす五行は「月支」の五行です。他と比べて3倍程度強く影響を及ぼすようです。
上図の月支は「申:金属性」で「日干:丙(火属性)」より剋される関係のため、日干が弱まります。
身強身弱がその人の運勢にどのように作用するかについて、説明します。
一般的に、身強の人は運が強く運勢に発展性があり活動力があります。また病気しにくく抵抗力もありますが吉凶の落差が大きいです。身弱の人は、運が弱く保守的で病気に対する抵抗力が弱いですが、何事にもコツコツと継続性があり吉凶の落差が小さいです。
例えば、身強の人は人の上に立ち人を使う立場になり、身弱の人は人に使われる立場になる人が多いようです。
次に、身強身弱と運勢の関係について、説明します。
例えば、ある人の日干が「火属性」で、ある年に巡ってくる属性が「水」の場合、普通に考えると「火」は「水」に消され力が弱められるため、その年は「凶」となりますが、それはその人が「身弱」の場合です。「身強」の場合は、凶では無く「吉」となります。
その理由は、エネルギーは多すぎても、少なすぎても良くないためです。多すぎる場合には、その力を打ち消す力が求められ、少ない場合には、その力を強める力が求められます。五行はバランスが重要です。
上図の通り、Aさん、Bさんは共に属性は「火」ですが、バランスで考えると「身強」のAさんは、2022年は吉、2024年は凶になります。対して「身弱」のBさんは、2022年は凶、2024年は吉になります。
つまり、同じ五行を持つ人であっても「身強」「身弱」によって吉凶が変わりますので、その人が「身強」なのか「身弱」なのか、の情報は命式の解釈にとても重要です。
書籍により「身強」「身弱」の考え方は更に細かく分かれます。
身強が強すぎる「極身強」、身弱が弱すぎる「極身弱」の分類もあり、この場合、吉凶の考え方が更に変わります。
①身強が更に強い「極身強」の人:弱める五行では無く、強める五行を吉とします。
②身弱が更に弱い「極身弱」の人:強める五行では無く、弱める五行を吉とします。
とても複雑なのですが、強過ぎたり弱過ぎたりする場合はその流れに従う、という考え方のようです。
大運と年運について
「大運」とは、10年ごとに切り替わる運気を指し、「年運」とは、毎年切り替わる運気を指します。その人の「命式」と「大運」「年運」を重ねて、総合的な運気を確認します。
導き方は、大運では10年ごとに切り替わる「干支」を求めて、そこから「五行」「通変星」「十二運星」を導きます。年運では毎年切り替わる「干支」から「五行」「通変星」「十二運星」を導きます。最後に「大運」「年運」と命式の「五行」「通変星」「十二運星」との関係性を見ます。
なお、「年運」の干支は暦通り(例:2022年:壬寅、2023年:癸卯)になり誰もが共通ですが、「大運」の干支は、「生年月日」と「男女」によって変わってきますので、求め方を説明します。
大運の求め方
始めに大運をスタートさせる年齢(立年)を求めます。立年が決まりましたら、次に10年ごとに切り替わる「干支」を求め、「五行」「通変星」「十二運星」を導きます。「通変星」「十二運星」の導き方については、前述に同様「通変星早見表」と「十二運星早見表」に照らして確認します。
①立年の求め方
生まれた日と節入り日までの日数差を用いて求めます。ここで言う節入り日は「生まれた日より一つ先の節入り日」か「生まれた日より遡った一つ後の節入り日」のいずれかですが、どちらを使用するかは「男女」の違いと「年干」によって決まります。生まれた日より遡った一つ後の節入り日までの日数を求める「逆行運」か、生まれた日より一つ先の節入り日までの日数を求める「順行運」に分かれます。
条件は次のようになります。
順行運、逆行運を確認しましたら、次のように立年を求めます。
- 日数差を3で割る。余りが出なければその値が立年になる。
- 余りが出た場合、余り1につき4ヶ月を足す。
例えば「1973年9月7日4時」生まれの「男性」で考えます。この人の命式は以下でした。
年干は「癸」です。この人は「男性」ですので上表より「逆行運」と分かります。
逆行運では、前述の「蔵干」を導く時に求めた節入り日までの日数をそのまま使用できます。(順行運の人は誕生日より一つ先の節入り日までの日数を求めます)。
節入り日までの日数は30日でしたので計算式にあてはめると「30÷3=10」となり立年は「10歳」になります。(例えば、日数が29日の人の場合は、29÷3=9余り2。余り2なので4か月×2=8ヶ月を足す。その結果、立年は「9歳8ヶ月」になります)
②通変星、十二運星の求め方
0歳から立年までの干支には月干支を使用します。立年以降は、十干十二支を「順行」「逆行」の向きに1つずつ変化させて10年間の干支を設定します。あとは、10年ごとの「干支」と「日干」を使用して「通変星早見表」から通変星、「十二運星早見表」から十二運星を求めます。
例えば「1973年9月7日4時」生まれの「男性」で考えます。この人の命式は以下でした。
月干支は「庚申」です。立年は10歳、逆行運でしたので10歳までの干支が「庚申」となり、以降、10年ごとに逆行の向きに干支を変化させていきます。
・順行:甲→乙→丙→丁→戊→己→庚→辛→壬→癸
:子→丑→寅→卯→辰→巳→午→未→申→酉→戌→亥
・逆行:癸→壬→辛→庚→己→戊→丁→丙→乙→甲
:亥→戌→酉→申→未→午→巳→辰→卯→寅→丑→子
立年、年齢、干支の関係は次のようになります。
日干の「丙」と、10年ごとの「干支」を使用して「通変星早見表」から通変星、「十二運星早見表」から十二運星を求めます。
10歳(立年)までの干支は「庚申」です。天干には「日干:丙」を取り、各表にて「庚」「申」を当てはめると、通変星は「偏財」、十二運星は「病」となります。以降、逆行の向きに干支を変化させ 10年ごとに設定します。
以上より「1973年9月7日4時」生まれの「男性」の立年、通変星、十二運星は次のようになります。
10年ごとに切り替わる「通変性」「十二運星」の影響により、運気が変わってきます。一般的に通変星が「印綬」の時は積み重ねてきたものが評価される時期、「偏印」の時は新しいものを求める(職場の異動、住居の移動などを伴いやすい)時期になります。その時期が近付いてきたら、自身の意思とは関係無く新たな環境が自動的に用意されるイメージです(その流れを事前に把握しておけば、身の任せ方を自身で決めて予め備えることができると思います。)
この10年周期の大運に、年運の影響を重ねると精度の高い運気が見えてきます。更にそこに、空亡の時期や、特殊星(例えば、人生のリセットボタンを押すほどの強力な作用を持つ「天戦地冲」のうち、特に強力なものを60歳までに2回体験します)の時期を重ねると、より精度の高い運気が見えてきます。
年運の求め方
年運の干支はその年の干支になります。2021年以降の年の干支は次のようになります。
年運についても大運と同様に、その年の「干支」と「日干」より、通変星早見表から「通変星」、十二運星早見表から「十二運星」を求めます。
例えば「1973年9月7日4時」生まれの「男性」においては、日干が「丙」ですので、その年の「干支」と、通変星早見表、十二運星早見表より、次のようになります。
毎年切り替わる「通変性」「十二運星」の影響により、運気が変わってきます。
特殊星について
特定の「十干」「十二支」が組み合わさると特殊な星が生まれ、影響を及ぼします。それらを考慮すると運の流れがより具体化されます。組み合わせる「十干」「十二支」は「命式」「大運」「年運」の3つを見ます。
特殊星には、それだけで意味を持つ星や、五行が変化して命式全体のバランスが崩れて影響を及ぼす星など多岐に渡ります。全部で50弱の種類がありますので、人によっては複数の種類の特殊星を持ち、各々が複雑に絡み合い影響を及ぼす場合もあります。
種類について説明します。
影響の大きい星(比較的プラスに作用)
(1)干合
決まった十干どうしが2つ組み合わさると、元々の五行の気を保ちつつ新たな別の気が生まれます。何となく気になる人がいる場合、ひょっとしたらお互いの「日干」が干合しているのかも知れません。男女が干合の関係の場合、互いに惹かれやすいようです。
組み合わせは次の通りです。
(例)「甲」「己」の2つの十干が組み合わさると「土属性」が生まれます。
「命式」「大運」「年運」の組み合わせでも干合が成り立ちます。それに伴い運勢も変化します。
(2)三合
決まった十二支が3つ組み合わさると、三合局になり元々の五行の気を保ちつつ新たな別の気が生まれます。良い結果が生まれ易くなる星です。
組み合わせは次の通りです。正三角形で結ばれる3つの十二支が該当します。但し、土属性だけは4つの十二支の組み合わせになります。
(例)「亥」「卯」「未」の3つの十二支が組み合わさると「木属性」が生まれます。
なお、三合局の十二支のうち「子」「卯」「午」「酉」を含む2つだけでも同じ五行に変化します。これを半会と言いますが、3つの十二支が揃うよりも五行の力は落ちます。
(例)「亥」「卯」または「卯」「未」の2つの十二支が組み合わさると「木属性」が生まれます。
「命式」「大運」「年運」の組み合わせでも三合が成り立ちます。それに伴い運勢も変化します。
(3)方合
決まった十二支が3つ組み合わさると、方合局と言い元々の五行の気を保ちつつ新たな別の気が生まれます。方合によって生まれる五行はかなり強力で、大きな影響を及ぼし易いです。
組み合わせは次の通りです。春夏秋冬に紐付く3つの十二支が該当します。
(例)「寅」「卯」「辰」の3つの十二支が組み合わさると「木属性」が生まれます。
「命式」「大運」「年運」の組み合わせでも方合が成り立ちます。それに伴い運勢も変化します。
(4)支合
2つの十二支が組み合わさると他の五行に変化します。良い結果が生まれ易くなる星です。変化する五行の力は弱いです。組み合わせは次の通りです。
(例)「丑」「子」の2つの十二支が組み合わさると「火属性」が生まれます。
「命式」「大運」「年運」の組み合わせでも方合が成り立ちます。それに伴い運勢も変化します。
影響の大きい星(比較的マイナスに作用)
(1)冲・天戦地冲
十二支を円形に並べた時に、対角線上に2つの十二支が並ぶ状態を指します。冲になると過去との繋がりが切れやすくなり壊れて離れていきます。その結果、大きな方向転換や清算ができる時でもあります。
例えば、日支が「午」の人は、年運に対角線上にある「子」が回ってくると「冲」になり、この年は、物事が壊れ離れる出来事が起きやすくなりますので要注意です。
また、冲の中でも特に強力なものを「天戦地冲」と言います。冲との違いは、十二支が冲の時に、更に十干どうしも尅す状態を言います。「命式」と「年運」の組み合わせで考えると、天戦地冲が訪れる回数は、60歳までに「年干で2回」「月干で2回」「日干で2回」の合計6回しか発生しないほどレアです。この中でも、自身を表す「日干」で発生する天戦地冲は「人生のリセットボタンが押される」ほど、とても強力のようです。
天戦地冲の時期は、「六十花甲子表」と、自身の「年柱」「月柱」「日柱」の干支から導きます。
下図の「六十花甲子表(番号付き)」より、該当する「干支」の番号から「±6」の「干支」が巡る年が天戦地冲です。
例えば「1973年9月7日4時」生まれの人は、日柱が「43:丙午」です。この場合、43+6=49の「49:壬子」の年と、43-6=37の「37:庚子」の年が天戦地冲になります。
実際に「43:丙午」と「37:庚子」の関係を見ると、十二支の「午」と「子」は対角線上にあり「冲」の関係です。また「丙(火属性)」と「庚(金属性)」は「火が金を剋」しています。
なお、2020年の干支は「37:庚子」でしたので「43:丙午」を持つ人は、この年に人生のリセットボタンが押される事態に遭遇していると思います。
六十花甲子表と年運の関係について
全ての年運の干支は、六十花甲子表にあります。2020年の干支は「庚子(37番)」です。以降、番号の順に流れていきますので、2021年は「辛丑(38番)」です。
(例)
・2020年:庚子(37)→庚:金属性
・2021年:辛丑(38)→辛:金属性
・2022年:壬寅(39)→壬:水属性
以降、癸卯(2023年)、甲辰(2024年)、乙巳(2025年)・・と続きます。
(2)害
物事が平行線で噛み合わない状態です。「冲」と異なり清算が出来ず、解決までに時間を要してストレスが続きます。恩を仇で返すこともあります。
「命式」「大運」「年運」の組み合わせでも害が成り立ちます。それに伴い運勢も変化します。
(3)刑(自刑・三刑)
刑には「自刑」「三刑」の2種類があります。
自刑は、自分で自分を尅す状態を言い、命式中に「辰」「午」「酉」「亥」が2つある状態です。その十二支の五行(例えば「午」なら「火属性」)の意味を強めます。対人関係に破綻をきたし衝突しやすくなり、自身を痛めつけます。
三刑も、対人関係に破綻をきたし衝突しやすくなります。この中でも「子」「卯」の組み合わせが互いに尅し合うため強力になります。
(4)律年
命式の干支と同じ干支が巡る年を律年と言います。この年は、気が強まり1つの事を突き詰めます。良くも悪くも人生のターニングポイントです。
年干支、月干支、日干支、時干支ごとに、60歳までに一度回ってきます。
時期は、前術の「(1)冲・天戦地冲」にあります「六十花甲子表」にてご確認ください。
影響の小さい星
【吉星】
(1)うまく物事が運ぶ星
「天徳貴人」「天徳合」「月徳貴人」「月徳合」「天乙貴人」「福星貴人」「天厨貴人」「天官貴人」「文昌貴人」「十干禄」「金与禄」「干食禄」「暗禄」「三貴人」「禄馬貴人」の15種類があります。
災難から守られる、上役に引き立てられ出世が早い、社会的成功が約束される、金銭や物資に恵まれる、望み事が叶う、玉の輿に乗る、などの良い星です。
①天徳貴人:命式の「月支」を起点に「日干支」を確認します。
②天徳合 :命式の「月支」を起点に「日干支」を確認します。
③月徳貴人:命式の「月支」を起点に「日干」を確認します。
④月徳合 :命式の「月支」を起点に「日干」を確認します。
例えば、月支「子」の人の日干支が「巳」の場合、「天徳貴人」になります。
⑤福星貴人:命式の「日干」を起点に「年支」「月支」「日支」「時支」を確認します。
⑥天厨貴人:命式の「日干」を起点に「年支」「月支」「日支」「時支」を確認します。
⑦天官貴人:命式の「日干」を起点に「年支」「月支」「日支」「時支」を確認します。
⑧文昌貴人:命式の「日干」を起点に「年支」「月支」「日支」「時支」を確認します。
例えば、日干「甲」の人の年支、月支、日支、時支のいずれかが「巳」の場合、「天厨貴人」「文昌貴人」になります。
⑨三貴人 :命式の「年干」「月干」「日干」が、条件に合致する場合に成り立ちます。
⑩禄馬貴人:命式の「日柱」の組み合わせが、条件に合致する場合に成り立ちます。
例えば、「日柱」が「壬午」の場合、「禄馬貴人」になります。
⑪天乙貴人:命式の「日干」を起点に「日支」を確認します。
例えば、日干「甲」の人の日支が「未」または「丑」の場合、「天乙貴人」になります。
天乙貴人は、貴人の中でも最も良く、一切の災難から守られる星のようです。
⑫十干禄:命式の「日干」を起点に「年支」「月支」「日支」「時支」を確認します。
⑬金与禄:命式の「日干」を起点に「年支」「月支」「日支」「時支」を確認します。
⑭暗禄 :命式の「日干」を起点に「年支」「月支」「日支」「時支」を確認します。
⑮干食禄:命式の「日干」を起点に「年干」「月干」「時干」を確認します。
例えば、日干「甲」の人の年干、月干、時干のいずれかが「寅」の場合、「十干禄」になります。
(2)文化、芸術、宗教の分野に生きる星
「華蓋」になります。
文化、芸術、宗教の分野に生きます。「印綬」と華蓋が同じ柱にあると芸術で名をあげます。
華蓋が十二運星の「墓」と同じ柱だと宗教に熱中します。
○華蓋:命式の「月支」を起点に「日支」「時支」を確認します。
例えば、月支「子」の人の日支または時支が「辰」の場合、「華蓋」になります。
(3)異性にモテる星
紅艶殺(こうえんさつ)になります。
異性にモテて、人づきあいも良く、愛嬌もあります。
○紅艶殺:命式の「日干」を起点に「年支」「月支」「日支」「時支」を確認します。
例えば、日干「甲」の人の年支、月支、日支、時支のいずれかが「午」の場合、「紅艶殺」になります。
(4)旅行、移転の星
駅馬になります。
駅馬の星の出る年に旅行、住居の移転、職場でのポストの変動があります。活動的な人です。
○駅馬:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
例えば、日支が「子」の人の年支、月支、時支のいずれかが「寅」の場合、「駅馬」になります。
(5)礼儀正しく粘り強い星
日徳になります。
性格が温和で、礼儀正しく、粘り強い人です。
○日徳:命式の「日柱」の組み合わせが、条件に合致する場合に成り立ちます。
例えば、「日柱」が「甲寅」の場合、「日徳」になります。
【凶星】
(1)凶運が大きく作用する星
羊刃になります。
凶運の振り幅が大きく、アクシデントが起こりやすいようです。羊刃になる月支と、年運の支が「冲」または「 三合」「支合」すると思わぬ災厄に合うようです。男性で羊刃が3つある人は必ず再婚するようです。なお、身弱の人は吉運の作用にもなるようです。
○羊刃:命式の「日干」を起点に「月支」を確認します。
例えば、日干が「甲」の人の月支が「卯」の場合、「羊刃」になります。
(2)色情問題を起こしやすい星
桃花殺、咸池、妨害殺、淫欲殺の4種類があります。
色情問題を起こしやすいので、注意が必要です。
①桃花殺:命式の「4つの地支」が「子」「卯」「午」「酉」の場合です。
例えば、「年支:子」「月支:卯」「日支:午」「時支:酉」の場合、「桃花殺」になります。
②咸池:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
「咸池」と、十二運星「沐浴」が同じ柱にある人は、夜の店などへ異性を求めます。また同じ柱に通変星「偏官」がある人は、芸者やホステス、女優などで活躍します。
例えば、日支が「子」の人の年支、月支、時支のいずれかが「酉」の場合、「咸池」になります。
③妨害殺:命式の「日柱」の組み合わせが、条件に合致する場合に成り立ちます。
初めは良くても、寂しい晩年を送る可能性があります。また、女性はよく病気をするようです。
例えば、「日柱」が「壬子」の場合、「妨害殺」になります。
④淫欲殺:命式の「日柱」の組み合わせが、条件に合致する場合に成り立ちます。
配偶者と生死別することもあるようです。
例えば、「日柱」が「甲寅」の場合、「淫欲殺」になります。
(3)病気、怪我をしやすい星
劫殺、亡神、白虎、血刃、病符、死符、懸針殺の7種類があります。
日々の生活において、注意が必要です。
①劫殺:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
②亡神:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
劫殺は、年運と重なると事故に遭いやすくなりますので、注意が必要です。
亡神は、命式に2つあると経済的に不安定、3つあると犯罪や淋病の悪疾にかかりやすくなるようですので、注意が必要です。
例えば、日支が「子」の人の年支、月支、時支のいずれかが「巳」の場合、「劫殺」になります。
③白虎:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
④血刃:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
白虎、血刃ともに、年運やお互いと重なると病気になりやすくなりますので、注意が必要です。
例えば、日支が「子」の人の年支、月支、時支のいずれかが「申」の場合、「白虎」になります。
⑤病符:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
⑥死符:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
病符と死符は、病気や災厄の暗示です。(死ぬわけではありません)
例えば、日支が「子」の人の年支、月支、時支のいずれかが「亥」の場合、「病符」になります。
⑦懸針殺:命式の「日柱」の組み合わせが、条件に合致する場合に成り立ちます。
夫婦縁の変化や、身体に持病を持つ暗示もあるようです。
例えば、「日柱」が「甲申」の場合、「懸針殺」になります。
(4)家族問題が起こりやすい星
弔客、日刃、陰差、陽差 の4種類があります。
家族や肉親とのトラブルが多いです。
①弔客:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
例えば、日支が「子」の人の年支、月支、時支のいずれかが「戌」の場合、「弔客」になります。
②日刃:命式の「日柱」の組み合わせが、条件に合致する場合に成り立ちます。
③陰差:命式の「日柱」の組み合わせが、条件に合致する場合に成り立ちます。
④陽差:命式の「日柱」の組み合わせが、条件に合致する場合に成り立ちます。
陰差は女性、陽差は男性の場合に当てはまります。
例えば、「日柱」が「丙午」の場合、「日刃」「陰差」になります。
(5)争いやすい星
飛人、囚獄の2種類があります。
争い好きです。
○飛刃:命式の「日干」を起点に「年支」「月支」「日支」「時支」を確認します。
例えば、日干が「甲」の人の年支、月支、日支、時支が「酉」の場合、「飛刃」になります。
○囚獄:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
例えば、日支が「子」の人の年支、月支、時支のいずれかが「午」の場合、「囚獄」になります。
(6)孤独の星
孤辰・寡宿の2種類があります。
孤独の傾向があります。
①狐辰:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
②寡宿:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
例えば、日支が「子」の人の年支、月支、時支のいずれかが「寅」の場合、「孤辰」になります。
(7)気性が激しい星
魁罡です。
○魁罡:命式の「日柱」の組み合わせが、条件に合致する場合に成り立ちます。
異常に気性が激しいようです。
年運の通変星が「偏財」「正財」「偏官」「正官」の年は不測の災厄に遭いやすく、凶運です。逆に「偏印」「印綬」の年は異常に開運するようです。女性は美人が多いようです。
例えば、「日柱」が「戊戌」の場合、「魁罡」になります。
(8)住居を変えやすい星
流霞殺、隔角の2種類があります。
住居を変えやすいです。
○流霞殺:命式の「日干」を起点に「年支」「月支」「日支」「時支」を確認します。
例えば、日干が「甲」の人の年支、月支、日支、時支が「酉」の場合、「流霞殺」になります。
○隔角:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
例えば、日支が「子」の人の年支、月支、時支のいずれかが「卯」の場合、「隔角」になります。
(9)何事もスムーズに進まない星
黄旗です。
○黄旗:命式の「日支」を起点に「年支」「月支」「時支」を確認します。
何事もスムーズに進まない傾向があります。
例えば、日支が「子」の人の年支、月支、時支のいずれかが「辰」の場合、「黄旗」になります。
異常干支
異常干支とは、特殊星の1つです。この干支を命式に持つ人は普通の人にはない特殊な力を持ち、この影響が個性に反映されやすくなります。
60干支中の13種類が該当し、「通常異常干支」「暗号異常干支」の2つに大別されます。
相性について
恋愛、結婚の相性の見方
2人の恋愛や結婚の相性は、お互いの「日干」「日支」「月支」の3つが「相生」もしくは「相剋」もしくは「比和(五行が同じで相生も相克もしていない状態)」しているか、また特殊星の有無(例えば「干合」「三合(半会)」「冲」しているかなど)で見ます。
上図より、日干:①と①´、日支:②と②´、月支:④と④´の関係を見ます。例えば、①が「丙(火属性)」、①´が「甲(木属性)」の場合、木から火を生み出す「相生」の関係になりますので相性は吉と言えます。更に細かく見ると、木属性の女性が火属性の男性に力を与える関係ですので、女性が男性を支える関係となります。
日干、日支、月支ごとに何の相性が吉凶なのかが決まっています。日干はその人の本質を表します(後述)ので、お互いの本質の相性を見ます。日支はお互いの愛情を見ます。月支はお互いの協調性を見ます。
例えば、以下の命式について相性を見てみます。
この例の場合、次のように判定できます。
日干:男性女性共に「丙(火属性)」ですので関係は「比和」です。2人の本質は同じになりますので、同士のような仲と見ます。
日支:男性が「午(火属性)」、女性が「戌(土属性)」です。火から土を生み出す「相生」の関係になりますので相性は吉と見ます。また、火属性の男性が土属性の女性に力を与える関係ですので、この場合、男性が女性を支える関係となります。また更に、「午」と「戌」は「三合(半会)」の関係にありますので、愛情面での結びつきはとても強いと見ます。
月支:男性が「申(金属性)」、女性が「丑(土属性)」です。土から金を生み出す「相生」の関係になりますので相性は吉と言えます。また、土属性の女性が金属性の男性に力を与える関係ですので、女性が男性を支える関係となります。(但し、丑は冬の土属性でカチカチの土ですので、ここから金属性を生み出すのは容易では無く、相生の関係ではありますがその力は弱いと見ます)。協調面では女性が男性を立てますが若干弱い(例えば、言い争いはあるが最後に女性が折れる)と見ます。
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