四柱推命

生まれた「年」「月」「日」「時」の4つの柱を元に個人の宿命を判断する占いです。
中国で生まれた占術で、日本には江戸時代に伝わり当時の儒学者桜田虎門の推命書が元になります。

四柱推命の仕組みや占い方について説明します。

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前提知識

世の中の全ての物事は「陰陽」+「五行」(陰陽五行説)に置き換えることができます。「年月日時」も例外ではありません。宿命を導くには「年月日時」を「陰陽」+「五行」(陰陽五行説)に置き換える必要があり、あらかじめその考え方を知っておく必要があります。

陰陽五行説とは

陰陽五行説は、陰陽説と五行説に分かれます。

陰陽説とは、全ての物事は「陰」と「陽」に分かれるという考え方です。「明るい-暗い」「男-女」のように、お互いに対立するものがあり、その変化に順応して均衡が保たれています。

五行説とは、全ての物事が「木」「火」「土」「金」「水」の5つの属性に分けられ、互いに影響し合い盛衰しながら循環するという考え方です。木火土金水の隣り合う属性どうしが助け合う関係を相生(そうしょう)、隣り合わず攻撃し合う関係を相剋(そうこく)と言います。
人間の一生もその影響を受けて栄え、衰えます。例えば、自身の生まれ持った属性が「火」で、ある年の属性が「水」だった場合、火は水に消され力が弱められる関係のため、その年は凶というような判断ができます。物事を五行に置き換えることで、吉凶の判断ができます。

四柱推命では「年月日時」を「陰陽」+「五行」(陰陽五行説)に置き換えて宿命を判断しますが、そのためには、まず「年月日時」の表現を「十干十二支(略して「干支」と言う)」に変換する必要があります。

十干十二支(干支:かんし)とは

十干とは「甲(きのえ)」「乙(きのと)」「丙(ひのえ)」「丁(ひのと)」「戊(つちのえ)」「己(つちのと)」「庚(かのえ)」「辛(かのと)」「壬(みずのえ)」「癸(みずのと)」の十種を指します。

十二支とは「子」「丑」「寅」「卯」「辰」「巳」「午」「未」「申」「酉」「戌」「亥」の十二種を指します。

「年」「月」「日」「時」の各々は「十干」+「十二支」の2文字で表現できます。
ですので、生年月日時は「2文字×4(年月日時)」=8文字で表現できます。

例えば、生まれが「1973年9月7日4時」の人を、干支に変換すると次のようになります。

「1973年9月7日4時」生まれの人は「1973年:癸丑」「9月:庚申」「7日:丙午」「4時:庚寅」になります。この変換の手順について説明します。

宿命図(命式)の作り方

命式とは、生年月日時を十干(「天干」と言う)十二支(「地支」と言う)に変換した8文字に加え、十二支の中に隠れている十干(「蔵干」と言う)と、天干と蔵干の2つの干から導かれる「通変星」、天干と地支から導かれる「十二運星」、そして天干のうち生日部分(「日干」と言う)と地支から導びかれる空亡(「天中殺」と言う)から成り立ちます。

自身の宿命は命式より判断ができますので、その作り方を説明します。

下図の空欄を埋めていきます。

天干・地支

干支の起源は定かではありませんが、0年の干支が「庚申」のようですので、そこから時間の経過とともに、次のように変化させます。

・十干の順番 :甲→乙→丙→丁→戊→己→→壬→癸→甲・・・

・十二支の順番:子→丑→寅→卯→辰→巳→午→未→→戌→亥→子・・・

0年の干支は「庚申」です。翌年の1年の干支は十干と十二支をそれぞれ1つずつ進めて「辛酉」になります。「月」「日」も考え方は同じです。

このように変化させていくと「1973年9月7日4時」生まれの人の「年」は次のようになります。

年柱「1973年」の干支は「癸丑」です。

ここで注意が必要です。もし、生まれ年の月日時が「2月の節入り」よりも前の場合、前年生まれの扱いになり、前年の干支である「壬子」を選びます。これは中国では旧正月(2月の節入り)が年の切り替わりになるためです。この人は、9月生まれのため2月の節入り(2月4日8:04)よりも後に生まれていますので、その年の「癸丑」になります。

節入り(せついり)

各月の季節の始まりを言います。

1年を季節に分けると「春」「夏」「秋」「冬」の4つに分かれます。更にそれを細かい気に分けると、1年は24の季節に分けることができます。これを二十四節気と言います。この時、各月には2つずつ季節が割り当たります(前半を「節気」、後半を「中気」と言います)。各月の「節気」が各月の季節の始まりとなり「節入り」と言うようです。

季節の変化ですので、必ずしも各月1日から始まるわけではありません。その年その月ごとにバラバラですが、だいたい4日~9日あたりから始まるようです。

各月に割当たる季節の呼び名は、下図の通りです。
例えば、2月の節気は「立春」、2月の中気は「雨水」と言います。

なお、2月の節入り「立春」は、月の始まりに加え、その年の始まりも表す特別な節入りになりますのでご注意ください。

その月生まれであっても、節入りより前に生まれた場合は、前月生まれの扱いになりますので前月の干支を選びます。また、その年生まれであっても、立春より前に生まれた場合は、前年生まれの扱いになりますので前年の干支を選びます。ご注意下さい。
(例)2021年2月2日12:00に生まれた人は、2021年2月3日23:59の節入り(立春)より前になりますので、前月(1月)の干支+前年(2020年)の干支を選ぶことになります。

各月の節入り時間は「国立天文台の暦要綱一覧」にて、確認ができます。

1973年の月柱「9月」の干支は干支暦では「辛酉」ですが、節入りの考慮が必要です。
生まれた日時が節入りよりも前の場合は、前月の干支を選びます。
「1973年9月7日5時」生まれの人は、1973年の9月の節入り「8日3:59」よりも前に生まれていますので、前月(8月)の干支「庚申」を選びます

上記より、1973年の月柱「9月」の干支は 「庚申」です。

1973年9月の日柱「7日」の干支は「丙午」です。日柱の注意点はありません。

時柱は上の表で確認します。4時を横軸、日干(生日の天干)の「丙」を縦軸に重なる箇所を見ます。
1973年9月7日の時柱「4時」の干支は「庚寅」です。

672年の干支は「壬申」
大化改新の中心人物であった天智天皇の弟の大海人皇子と、天智天皇の子の大友皇子との間で皇位継承問題「壬申の乱」がありました。その名前は干支が元になっています。他にも、1868年の「戊申戦争」も同様です。

還暦は60歳
十干の数は10。十二支の数は12。「甲子」から始まって「乙丑」「丙寅」・・・と移り、再び「甲子」がめぐってくるのは60年後です(10と12の最小公倍数が60。60種類の組み合わせがあります)
60年で生まれた年と同じ暦に還るため「還暦」と名付けられています。
還暦で「赤いちゃんちゃんこ」を着てお祝いする慣習がありますが、これは生まれた年に還ることに充てたものです。昔は、赤色に魔除けの意味があり、ちゃんちゃんこは子供や老人が着ていたようです。

天干・地支の作り方は説明の通りですが、0年から辿ると大変です。
ですので、下の仕組みを使用して「天干・地支」を確認して下さい。(プログラミングしてみました)

天干・地支を確認
生年月日時入力フォーム あなたの生年月日時を選択してください。

年:
月:
日:
時:
分:

蔵干

蔵干は「生年月日時」それぞれの「地支(年支、月支、日支、時支)に隠れている4つの「干」を指します。「蔵干表」を用いて、「4つの地支」を縦軸、「節入りからの日数」を横軸に重なる箇所を見ます。

〇地支

「1973年9月7日4時」生まれの人の 地支は「年支:丑」「月支:申」「日支:午」「時支:寅」です。節入りからの日数は「30日」になります。節入りからの日数は、次のように求めます。

(例)「1973年9月7日4時」生まれの人の節入りからの日数の求め方
始めにその人の節入りの月日時を確認します。前述の天干・地支を参考にすると、9月の節入り「9月8日3:59」よりも前に生まれていますので、その人は8月生まれの扱いになり、8月の節入り「8月8日1:13」を採用します。従って、8月8日から9月7日までの日数を求めます。8月は31日までありますので9月までの日数は、31日-8日(節入り日)=23日。9月7日生まれですので、あと7日分を加えてトータルの節入りからの日数は、7日+23日=30日になります。

〇蔵干表

蔵干表の横軸(節入り後「21日以降」)と、縦軸(地支「年支:丑」「月支:申」「日支:午」「時支:寅」)が重なる箇所を見ると、蔵干は「年:己」「月:庚」「日:丁」「時:甲」になります。

書籍により蔵干の表現が異なるようです。
節入りからの日数により蔵干が1つに決まります。しかしながら、書籍によっては1つの地支に含まれる全ての蔵干を表現するものや、日数に関係無く最遅(21日以降)の蔵干を表現するものなど考え方がさまざまです。
例えば「年支:丑」には「1日~9日:癸」「10日~12日:辛」「13日以降:己」の3つの蔵干が含まれています。この時、節入からの日数が「5日」の人の場合、蔵干は書籍によって以下のように表現されます。
①書籍1:「癸」「庚」「己」 ※全ての蔵干を表現
②書籍2:「己」       ※最遅の蔵干を表現
③書籍3:「癸」       ※日数の蔵干を表現
ここでは③として扱います。なお、節入りからの日数が多ければ多い程その月のエネルギーを多く含むことを意味し、少ない人よりも良い運勢を持つ傾向にあるようです。

通変星

通変星は、性格、能力、適性、運命などを判断する重要な星です。
種類は「比肩」「劫財」「食神」「傷官」「偏財」「正財」「偏官」「正官」「偏印」「印綬」の10種類があります。天干の通変星と蔵干の通変星のそれぞれを求めます。

天干の通変星は「通変星早見表 」を用いて、「日干(生日の天干)」を横軸にとり「年干(生年の天干)」「月干(生月の天干)」「時干(生時の天干)」に対応する縦軸の通変星を確認します。なお、日干を基準にするため日干には通変星がありません。 日干以外の3つの天干が対象になります。
蔵干の通変星についてもやり方は同じです。日干を横軸にとり蔵干に対応する縦軸の通変星を確認します。こちらは4つの蔵干が対象になります。

いずれも、日干を固定して、日干とそれ以外の十干の組み合わせで導きます。通変星は合計7つになります。

〇天干と蔵干

〇通変星早見表

通変星早見表の仕組み

通変星早見表の仕組みを説明します。

まずは、下表より十干に紐づく五行を確認します。例えば、十干が「甲」なら五行は「木属性」になります。

日干とそれ以外の十干の五行の関係で通変星が決まります。日干は「比肩」、同じ五行の十干は「劫財」と決まっています(「比肩」と「劫財」は同じ五行ですが陰陽が異なります)。同様に、日干の五行から生じる五行の十干は「食神」「傷官」、日干の五行を生じる五行の十干は「偏印」「印綬」、日干の五行を尅す五行の十干は「偏官」「正官」、日干の五行が尅す五行の十干は「偏財」「正財」になります。

上図の関係性を表にしたものが「通変星早見表」になります。

(例)「1973年9月7日4時」生まれの人の日干は「丙」ですので五行は火属性です。火属性に紐づく五行、十干、通変星の関係は次のようになります。

  • 火属性「丙」「丁」:比肩、劫財(自分自身)
  • 土属性「戊」「己」:食神、傷官(火属性から生じる)
  • 金属性「庚」「辛」:偏財、正財(火属性から尅される)
  • 水属性「壬」「癸」:偏官、正官(火属性を尅す)
  • 木属性「甲」「乙」:偏印、印綬(火属性を生じる)

「1973年9月7日4時」生まれの人の 日干は「丙」ですので、丙を横軸に「年干:癸」「月干:庚」「時干:庚」に対応する縦軸の通変星を見ます。また蔵干についても、日干「丙」を横軸に「蔵干年:己」「蔵干月:庚」「蔵干日:丁」「蔵干時:甲」に対応する縦軸の通変星を見ます。

天干と蔵干の通変星は次のようになります。

  • 年干の通変星:正官
  • 月干の通変星:偏財
  • 時干の通変星:偏財
  • 蔵干年の通変星:傷官
  • 蔵干月の通変星:偏財
  • 蔵干日の通変星:劫財
  • 蔵干時の通変星: 偏印

十二運星

十二運星は端的に言うと、その人の欲望の強さが分かる星です。
種類は「胎」「養」「長生」「沐浴」「冠帯」「建禄」「帝王」「衰」「病」「死」「墓」「絶」の12種類があります。
求め方は「十二運星早見表」を用いて、「生年月日時の天干」を横軸にとり、「生年月日時の地支」に対応する縦軸の十二運星を見ます。前述の通り、日干には通変星がありませんので日干以外の3つの十二運星が対象です。
蔵干の十二運星については、「日干」を横軸にとり、「生年月日時の地支」に対応する縦軸の十二運星を見ます。こちらは通変星がありますので、4つの十二運星が対象です。

〇天干と地支

〇 十二運星早見表

「1973年9月7日4時」生まれの人の 天干は、「年干:癸」「月干:庚」「時干:庚」ですので、それぞれを横軸にとり、地支の「年支:丑」「月支:申」「時支:寅」に対応する十二運星を見ます。また蔵干についても、日干「丙」を横軸にとり地支の「年支:丑」「月支:申」「日支:午」「時支:寅」に対応する十二運星を見ます。

天干と蔵干の十二運星は次のようになります。

  • 年干の十二運星: 冠帯
  • 月干の十二運星: 建禄
  • 時干の十二運星: 絶
  • 蔵干年の 十二運星: 養
  • 蔵干月の 十二運星: 病
  • 蔵干日の 十二運星: 帝王
  • 蔵干時の 十二運星: 長生

空亡(天中殺)

十干(10種類)と十二支(12種類)を組み合わせていくと、十二支が2つ余ります。その余った十二支が空亡になります。空亡の十二支が巡ってくる年月日は災いを招きやすい時期になります。空亡の時期は「12年」「12ヶ月」「12日」の周期で巡り、おのおの「2年間」「2ヶ月」「2日間」が空亡の期間になります。
求め方は、六十花甲子表を用いて日干支に対応する縦軸の空亡を見ます。

「1973年9月7日4時」生まれの人の日干支は「丙午」ですので、空亡は「寅卯」になります。

空亡が災いを招きやすいとは
十干は主に空間(木火土金水の気を表す)、十二支は主に時間を表しており、その組み合わせでバランスが保たれています。2つ余った十二支には、組み合わせる十干がありませんので、時間はあるけど空間が存在しない不安定な状態になります。
例えば年で見ると、2021年は丑年ですので、六十花甲子表より日干支が「子丑空亡」に該当する人が不安定な時期になります。また2022年は寅年、2023年は卯年ですので、この2年間は日干支が「寅卯空亡」に該当する人が不安定な時期にあたります。12年後も同じサイクルで不安定な時期が巡ってきます。
この時期は、冷静な判断ができず誤った判断をする可能性が高まりますので、例えば、結婚や引っ越しなど自身で新たなことを決断することは、なるべく避けた方が無難のようです。

これで命式が完成しました。

ですが、より正確な命式にするためには「生まれた場所(都道府県)」の考慮が必要です。

時差について
日本時間は、標準時子午線(東経135度)を基準とし、場所は「兵庫県明石市」です。そのため、生まれた場所が明石市以外では経度が異なり生まれた時刻が変わってきます。その差は「1度ずれると4分ずれ」ます(地球の自転1週360度で1日24時間(1440分)経過するため。1440分÷360度=4分)。東から太陽が昇りますので、明石市よりも東側は時間が進み、西側は遅れます。
(例)生まれた時刻がAM7:00の場合、生まれた場所により時刻が異なります。
 ・兵庫県明石市生まれの人:AM7:00(そのまま)
 ・東京生まれの人:東経139.7度。+約4.7度→約19分進み→AM7:19分
 ・沖縄生まれの人:東経127.7度。-約7.3度→約29分遅れ→AM6:31分
生まれた場所を考慮した結果、「年」「月」「日」「時」が変わる方は、命式も変わる可能性がありますので注意が必要です。

次に命式の解釈の仕方について説明します。