収穫したサツマイモを甘くしてみました!

サツマイモ(安納芋)をたくさん収穫できたので、Webサイトを参考に、電子レンジ(500Wで約10分)で調理して食べてみたのですが、全く甘くありませんでした。ショックです。

栽培方法を疑いましたが、栽培期間は平均4ヶ月(120日)で、期間の長いものは約半年(180日)です。栽培日数としては、申し分ないかと思います。

そのため、Webサイトをあちこち確認して、自分なりに調査を行い、調理を試行錯誤してみました。その結果、抜群に甘いサツマイモが出来上がりました!

抜群に甘く出来た方法について、試行錯誤の内容を交えてお伝えします。

やってみたこと①

収穫直後のサツマイモを、キッチンペーパーでくるみ、水に濡らした後にラップをします。その後、電子レンジ「500Wで約10分」でチンしました。

結果は、少しほくほく感はありましたが、ほとんど甘く無かったです。

失敗です。

やってみたこと②

収穫直後のサツマイモは甘く無く「追熟」が必要であることが、さまざまなWebサイトに書かれていました。「追熟」させると、さつまいもに含まれる「デンプン」が「糖分」に変わり、甘くなるようです。

ですので、さつまいもを新聞紙にくるみ、ベランダに約3週間おいた後に、先の①と同じ方法で試してみました。

結果は、何となく前回よりも甘さが感じられるかな、というレベルでまだまだ甘くありません。

失敗です。

やってみたこと③

電子レンジの強さを変更してみました。

キッチンペーパーでくるみ、水に濡らした後にラップをします。その後、電子レンジ「250Wで約40分」でチンしました。

結果は、②に比べてほくほく感が強く、安納芋独特のねっとり感もありました。更に甘さも出てきましたが、まだまだ足りないです。

失敗です。

調べたところ、電子レンジの仕組みは、マイクロ波をさつまいもの水分に当てて、水分を振動させることで摩擦を生み、それで温められるようです。長い時間をかけることで、さつまいもの芯の水分まで十分に温めることができて、全体にまんべんなく熱が通ったようです。(時間が短いと芯まで十分に熱が届かない)

やってみたこと④

さつまいもが甘くなる仕組みについて、調査しました。

さつまいもが甘くなる仕組みについて

あちこちのWebサイトで確認をしたところ、温度管理がポイントであることが分かりました。

簡単に絵にしてみました。

さつまいもが甘くなる仕組みは、さつまいもに含まれる「デンプン」が加熱により「麦芽糖」に変わることです。その麦芽糖を作り出すためには、さつまいもに含まれる「α-アミラーゼ」「β-アミラーゼ」という2つの酵素を使用するのですが、温度が80℃以上になると壊れてしまい、麦芽糖を作り出せないようです。

つまり甘くするためには、80℃を超えずに加熱し続けて分解を促進させ、麦芽糖を増やす必要があります。温度管理がとても重要です。

ちなみに、加熱後65℃以上になるとデンプンが糊化します。糊化したデンプンは、おのおのが結合された状態ですので、α-アミラーゼがその結合を切断します。切断されたデンプンを、β-アミラーゼが麦芽糖に変えます。

理想の温度管理は、デンプンが糊化する65℃から、アミラーゼが壊れる80℃より前、つまり「65℃~80℃」です。

たき火に入れて作ったさつまいもが美味しいと聞きますが、同じ原理だと思います。良い温度管理が出来ているのだと思います。

65℃~80℃の温度管理の実現方法

先の①②③で説明しました、電子レンジの500Wや250Wについては、温めていた温度は分かりません。さつまいもの水分子を振動させて摩擦熱で内側から温めているため温度指定が出来ないためです。恐らく100℃を超えている状態も多々発生していると推測します。①②③のやり方自体は簡単ですが、甘さを引き出すのは運任せであるとが分かりました。(分解は進むので、多少甘くなるとは思いますが、本来のさつまいもの甘さを引き出せていないと思われます)

内側では無く、外側から温度を指定して温める機器として、電子レンジのオーブン機能がありますが、我が家のオーブン機能で指定できる最低温度が100℃でしたので、NGでした。

魚焼き器も考えましたが、こちらは温度管理ができないためNGです。

蒸かし器も考えましたが、水蒸気で外側から温める仕組みですので、水蒸気は100℃近い温度です。電子レンジのオーブン機能の100℃指定と、大差無いと思いますのでNGです。

他に炊飯器も考えましたが、温度管理が出来ないのでNGです。ただ、保温機能が70℃前後とマニュアルに書かれていたので少し期待しましたが、実際にやってみたら70℃に到底及ばない温度だったためNGでした。(手でずっと触れる温度だった)

最後に、アナログな感じですが、鍋を使用する方法です。鍋に水を張って一度沸騰させます。その後弱火にすることで、水温を80℃前後にまで下げることができます。この水温を利用します。

さつまいもをキッチンペーパーでくるんで水を吸わせた後、ジップロックに入れて水が入らない状態にした上で、鍋のお湯の中に漬け込みます。この状態で約1時間待ちます。

結果は、大変甘いさつまいもを作ることができました。出来た時の甘さにビックリしました!

若干時間が掛かりますが、スマホのタイマー機能も使用すれば、時間も分かり手間も減らせると思いますので、本当に甘いさつまいもを食べたい方にはおすすめです。

実践結果

安納芋です。

土の汚れを取った安納芋です。これを使用します。

キッチンペーパーでくるみ、水に濡らしてジップロックに入れます。

鍋に水を張り、強火で熱し沸騰させます。

弱火に切り替えて、さつまいもを投入します。数十分経過すると、中の空気が膨張しますので、口を少し開けて空気を逃がします。(実践では1時間のうち1回だけ空気を抜きました)

試しに、弱火の状態で、指をお湯に付けてみました。さすがに、付け続けることはできませんが、付けてすぐ離すことができるくらいの温度です。

1時間経過したことを確認し、さつまいもを取り出します。

全てのさつまいもが「ほくほく」「ねっとり」で、大変甘い状態で仕上がりました。

色々試した結果、このやり方が一番甘さを引き出せると思っています。
やや手間ですが、本当に甘いさつまいもを食べたいときには、おすすめです。理論通りですので、間違いないと思います。

なお、1時間経過後も、ジップロックの状態のまま、30分くらい蒸らし続けたら糖化が進み更に甘くなりました。

65℃〜80℃の低温を指定できる機器をお持ちでしたら、そちらをご使用いただければ、同じ状態になると思います。

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